「インプラントをしたいのに、他院で骨が足りないと断られてしまった」「歯を失ってから時間が経って、もう手遅れかもしれない」――そんな不安を抱えていませんか。実は、顎の骨が少ない場合でも、骨造成(こつぞうせい)と呼ばれる治療を組み合わせることで、インプラントが可能になるケースは多くあります。この記事では、骨が痩せてしまう原因から、代表的な骨造成の方法、リスクや治療期間まで、町田市鶴川のなごみ歯科医院の歯科医がわかりやすく解説します。
なぜ歯を失うと顎の骨は減ってしまうのか
顎の骨は、歯の根(歯根)から噛む刺激が伝わることで、強さと厚みを保っています。ところが、歯を失って歯根からの刺激がなくなると、骨は使われない部分から徐々に痩せていきます。これは「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」と呼ばれ、特に抜歯後3〜6ヶ月のあいだに大きく骨吸収が進むことが知られています。
入れ歯やブリッジで噛んでいたとしても、噛む力は歯ぐきや残った歯に分散され、骨にはしっかり伝わりません。そのため、歯を失ったまま長年放置されている方や、合わない入れ歯を使い続けてきた方ほど、骨の量が大きく減っている傾向があります。また、歯周病が原因で歯を失った方は、抜歯の時点ですでに骨が広範囲に失われていることが少なくありません。
骨が足りないとインプラントが難しい理由・放置のリスク
インプラントは、人工歯根(チタン製のネジ)を顎の骨に直接埋め込み、その上に被せ物を装着する治療です。だからこそ、土台となる骨に十分な「幅」と「高さ」が必要になります。
特に注意が必要なのは、上顎の奥歯と下顎の奥歯です。上顎には「上顎洞(じょうがくどう)」という鼻の横の大きな空洞があり、骨の高さが足りないとインプラントが上顎洞に突き抜けてしまうリスクがあります。下顎には「下歯槽神経(かしそうしんけい)」という太い神経が走っており、骨が薄いまま埋入すると、しびれなどの神経症状を起こす危険があります。
こうした理由から、骨が不足した状態で無理にインプラントを埋め込むと、ぐらつき・脱落・神経損傷・上顎洞炎といったトラブルにつながりかねません。「骨がないからインプラントは無理です」と他院で言われた方の中には、必要な検査や骨造成の選択肢が十分に説明されていないケースも多く見受けられます。あきらめる前に、もう一度、CT撮影による精密な診断を受けてみることをおすすめします。
骨を増やす代表的な治療法(GBR・サイナスリフト・ソケットリフト)
骨造成にはいくつかの種類があり、不足している部位や量に合わせて使い分けます。代表的な方法を紹介します。
GBR(骨誘導再生法)
骨が不足している部分に骨補填材(人工骨や自家骨)を入れ、その上を「メンブレン」と呼ばれる特殊な膜で覆って、骨の再生を促す方法です。インプラント埋入と同時に行うこともあれば、先に骨を作ってから後日インプラントを埋め込むこともあります。比較的軽度〜中等度の骨不足に対して、幅広く使われる治療法です。
ソケットリフト
上顎の奥歯で、骨の高さがあと数ミリ足りないという場合に行う方法です。インプラントを埋める穴から、上顎洞の底(粘膜)を内側からそっと持ち上げ、できたスペースに骨補填材を入れて高さを確保します。傷が小さく、患者さんへの負担が少ないのが特徴です。
サイナスリフト
上顎の骨の高さが大きく不足している場合(おおむね5mm以下)に選択される方法です。歯ぐきの横からアプローチして上顎洞の底を持ち上げ、しっかりと骨を補います。一度に複数本のインプラントを予定している方や、長年歯がなかった方に適しています。ソケットリフトより治療範囲は広くなりますが、適切に行えば大幅な骨不足にも対応できる大切な選択肢です。
スプリットクレスト(歯槽堤分割術)
骨の高さは足りているものの、幅が薄い場合に行う方法です。骨を縦に割って広げ、その隙間にインプラントと骨補填材を入れて幅を確保します。
骨造成を伴うインプラント治療は、通常のインプラントよりも治療期間が3〜6ヶ月ほど長くなります。骨がしっかり成熟するのを待ってからインプラントを埋め込む、または上部構造(被せ物)を装着するためです。費用も追加でかかるため、事前にしっかり説明を受けて納得したうえで進めることが大切です。
町田市鶴川のなごみ歯科医院での対応
町田市鶴川のなごみ歯科医院では、インプラントを検討されているすべての方に、歯科用CTによる3次元的な骨の診断を行っています。レントゲンだけでは分かりにくい骨の幅・高さ・神経や上顎洞との位置関係まで、立体的に確認したうえで治療計画をご提案します。
骨造成については、GBR・ソケットリフト・サイナスリフトといった代表的な術式に対応しており、「他院でインプラントを断られた」という方からのご相談も多くいただいています。手術中の不安や痛みについては、ご希望に応じて笑気麻酔(しょうきますい)を併用し、リラックスした状態で受けていただけるよう配慮しています。
もちろん、骨造成が必ず必要というわけではありません。骨の状態によっては、骨造成なしで対応できることもありますし、本数や位置を工夫することで負担を抑えられるケースもあります。鶴川にお住まいの方が安心して通い続けられるよう、一人ひとりの状況に合わせた治療計画をご提案しています。
まとめ|骨が少ないと言われても、あきらめないでください
「骨が少ないからインプラントは無理」と一度言われた方も、骨造成の選択肢を含めて再検討すれば、治療できる可能性は十分にあります。大切なのは、CT検査で骨の状態を正確に把握し、ご自身の体に合った治療計画を選ぶことです。
町田市鶴川のなごみ歯科医院では、初回の相談・検査からていねいにご説明します。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
WEB予約はこちら:https://nagomi-shika.com/reservation/
監修:田島 光明(なごみ歯科医院 院長/歯学博士・東京医学技術専門学校 理事)
執筆:中田 雅昭(副院長)